素朴であたたかさを感じる布をお届けしている生地屋です「生地のヨシムラ」
パパソー・親ばか日記

▲TOP 第8回:〜 初心に戻って... 前編 〜

 季節の過ぎるのは早いもの、そろそろ女の子の節句、ひな人形を飾る頃になりましたよね。
とはいえ...今年最初のパパソー。
そこで、今までは周りの反対もなんのその『チャレンジする事がパパソーの真髄』...と ばかりに無謀にもドレスなどトライしましたが、今回は初心に戻って始めようと思います。

そこで、今回は原型作りにチャレンジします。

最初は採寸。ところが...

 原型を作るには、まず採寸をするのが当たり前ですが、
こともあろうに娘の採寸を忘れてしまいました。(-_-;)

仕方なく、あわてて妻に採寸を頼もうと電話をすることに。
『今回のパパソーは原型から作るので、しおりの採寸を頼むよ!』
そして、妻に採寸をして欲しい箇所とポイントを伝え
『あとでメールで送っといて!』とお願いしました。

見頃の原型を作るのに必要な採寸箇所は...イラストを参照ください。

↑拡大してみる


▽▼▽
そして、しばらくすると妻からメールが...
タイトルにしおり'Sデータと書かれ、下記の採寸個所が明記されていました。
・身長 98.5cm ・袖丈 29.5cm
・首回り 26.0cm ・腕回り 17.0cm
・バスト 50.5cm ・手首回り 11.5cm
・肩幅 8.5cm ・掌回り 16.0cm
・背丈 26.0cm    

▽▼▽
 そしてメールの最後にはこんなリクエストが...
『昨年のブラウスがみんな小さくて着られなくなったので、
春らしい可愛いシャツブラウスを作って欲しいc

愛妻家の私『ノー』なんて言いません!!
妻のため、娘のため、シャツブラウスを作ることに決めました。

デザインは春らしいピンクの生地にステッチを施した
ラウンドカラーのシャツブラウスです。

生地はまだはっきり決めていませんが、こんな感じです。

▽▼▽
原型作り

原型作りといっても文化式ドレメ式などいくつかの種類がありますが、
スタッフの塚原さんがドレメ式のこども用の原型の作り方が載っている本を
家から持ってきてくれたので、今回はその本を参考に原型を作ることにしました。
身長ごとに基本型の寸法が明記されていたので、
妻が採寸をしてくれたデータを元に修正を加えました。


◆ 身頃原型の引き方 ◆

まず、バストには8cmのゆとりを加えます。
前後の身頃とも、ウエスト線から上の左身頃だけを引いていき、
前後の身頃は脇で続け、後ろ身頃前身頃の順で引きます。

あらかじめ、原型に必要な箇所を計算しておきます。
(衿ぐり)5.0cm(首周り26cm/6 +0.3)
(後ろ中央衿ぐり)1.3cm(5.0/4)
(前中央衿ぐり)5.7cm(5.0 + 1.3/2)
(肩下がり)3.3cm(肩幅(8.5cm+1.3)/3)
(前衿ぐり丸み)1.7cm(3.3/2)
(前下がり)1.9cm(5.7/3)

< 後ろ身頃の手順 >
(後ろ身頃の原型)

↑拡大してみる

(1)後ろ中心線・肩線の基本線を引く。
  角を右上にした直角線を引き、縦線を後ろ中心線、横線は肩線の基本線となる。
(2)後ろ衿ぐり線を引く。
  (1)で引いた横線上に衿ぐり寸法を、縦線上にを印し、AからBをカーブ線でつなぐ。
(3)ウエストラインを引く。
  後ろ中心線上のBから下に背丈を印し、そこから左へ直角線を引く。
(4)バストライン・前中心を引く。
  後ろ中心線のBから下に(背丈/2+1cm)を印し、横に直角線を引き、この線をバストラインとする。
バストライン上にバストライン寸法を印し、肩線の基本線からウエストライン、バストラインまで縦線を引く。(バストラインに対して直角に!)
この線は前中心線になる。
(5)脇線を引く。
  バストラインを二等分し、そこからウエストラインまで垂直線を引く。
(6)肩下がり線を引く。
  後ろネックポイントから横に肩幅を印し、バストラインまで垂直線を引く。
(7)背幅線を引く。
  後ろ中心線上のBから下に肩幅同寸を印し、ここから直角線を肩下がり線まで引き、この交点から中にB′を印し、背幅とする。
(8)肩線を引く。
  肩下がり線と背幅線の交点から上を3等分し、上から1/3を肩下がりDとする。
ネックポイントと肩下がりを直線で結びネックポイントから肩幅を測り直して印をつけショルダーポイントとする。
H 後ろ袖ぐり線(後ろアームホール)を引く。
ショルダーポイント、B′、バストライン上の脇線をカーブ線で結ぶ。

< 前身頃の手順 >
(前身頃の原型)

↑拡大してみる

(1)衿ぐり線を引く。
  肩線の基本線上に『衿ぐり寸法A』を印し、前中心線上にを印し直線で結ぶ。
『前衿ぐりの丸み分』を印し、前衿ぐりをカーブ線で引く。
(2)肩下がり線を引く。
  ネックポイントから肩幅を印し、バストラインまで垂直線を引き、肩下がり線とする。
(3)肩線を引く。
  肩下がり線上に上から『肩下がりD』を印し、ネックポイントと結んだ肩線を引き、肩線を計り直して印をつけショルダーポイントとする。
(4)胸幅線を引く。
  前中心線上の衿ぐり線からバストラインまでを二等分し、そこから肩下がり線へ向けて直角に線を引く。
これを胸幅線とする。
(5)胸幅を印す。
  胸幅線に背幅線−0.5cmを印し、胸幅とする。
(6)前袖ぐり(前アームホール)を引く。
  ショルダーポイント、胸幅点、バストライン上の脇線をカーブで結びます。
(7)ウエストラインを引く。
  中心線を下へ延長し『前下がりF』を印す。
そこから脇線までカーブでウエストラインを引く。


◆ 袖原型の引き方 ◆

まず、身頃原型の袖ぐり線の長さを前後別々に計ります。(正確に) (袖の原型)

↑拡大してみる
※はじめに計算をします。

★1 袖山の高さ=前後のアームホール×0.3
★2 前袖付基準寸法=前身頃アームホール+0.5cm(ゆとり分)
★3 後ろ袖付基準寸法=後ろ身頃アームホール+1cm(ゆとり分)
★4 肘丈=袖丈/2+2cm

< 袖の手順 >

(1)袖山線を引く。
  袖丈を縦線上に引き、袖山線とする。
(2)袖幅線を引きます。
  袖山線上に上から袖山の高さ★1を割り出し、袖山線に対して直角線を左右に出し、袖幅線とする。
(3)前袖付基準線を引きます。
  前袖付基準寸法を割り出し★2、この寸法を袖山印から袖線上に向かって斜線で結び、前袖付基準線とする。
前袖付基準線と前袖幅線の交点を前袖幅とする。
(4)後ろ袖付基準線を引きます。
  後ろ袖付基準線寸法を割り出し★3前袖付基準線と同じ方法で袖付基準線を引き、後ろ袖幅を決める。
(5)前後の袖下線を引く。
  前後袖幅線からそれぞれ垂直線幅を袖下まで引き、前袖下線、後ろ袖下線を引く。
(6)袖口線を引く。
  袖丈から直角線を左右に引き、前後の袖下線と結んで袖口線を引く。
(7)肘線を引く。
  袖山線に肘線★4を印して、袖口線と平行に肘線を引く。
(8)袖付線を引く。
  前袖幅を3等分して 、そこから袖付基準線まで垂直線を伸ばし、左からA線C線とし、A線とC線の中間にB線を引く。
後ろ袖幅を3等分して 、そこから袖付け基準線まで垂直線を伸ばして、左からD線E線とする。
A線を4等分し、上から1/4に印をして、更にC線を4等分して、その1/4をC線の延長線上に印す。
D線を3等分して、その1/3をD線の延長線上に移す。
E線の長さを@とし、@/10をEと後ろ袖点との中間に印す。
前袖下から印をしたFそして後ろ袖下をカーブ線で結び、袖付線を引きます

● 前袖付寸法と後ろ袖付寸法を正確にはかる。
 身頃との寸法差がいせこみ分となる。
 (前袖付寸法1.4cm以内・
  後ろ袖付寸法1.8cm以内が適量)
 いせ込みの分量が多すぎたり少なすぎる時は
 カーブを修正してバランスの良い線を引く。

↑拡大してみる

スタッフに助けてもらいながらやっと原型の完成です。
なんとも、長〜い道のりでした。(*_*)

原型作りを通して

今までは、一番面倒臭い製図作り、ましてや原型から作るとなると大変なので、
今までは敬遠していましたが、原型作りをしたことで、
衿ぐりと首まわりの関係(衿ぐり=首まわり/6+0.3cm)など
構造的に少し理解できました。

原型作りを手伝ってくれたスタッフ緑川くんが、
『今まで自分が使っていた原型と今回の原型、身頃が左右が逆だ!』
...と言っていたので、どうして違うのか?皆に聞いてみると、
今回使った原型はドレメ式なので前後の身頃とも左身頃だけを引くのに対し、
緑川くんが使っていた文化式の原型は逆に右身頃だけを引くとのことでした。


(ドレメ式)
(文化式)


なぜ、逆なのか?
その理由は分からなかったのですが、もしかしたら、もともと原型を作った人が左利きと右利きの違いだったりして!?
しかしながら、原型を作った先人は、きっとたくさんの人を採寸して、独自の原型を作り上げていったのではないかと思い、その努力には敬意を払います。

今回、原型作りを通じて改めて服作りの奥深さを感じさせられました。
とはいえ、まだやっと原型ができたばかり、山登りでいうならば、これから登るぞ!と準備ができた所でしょうか。
さてさて、基本が出来ていない私にとって、原型作りはドレスを作るより苦労したので、今回のパパソーは原型が出来ただけですが、前編はこれでおしまいです。


▽▼▽
春はもうすぐ!
娘の着る服がないと妻に催促される前に作るぞ〜。
それでは、次回後編をお楽しみに。。。


Copyright 2004〜Yoshimura Co.,Ltd. All Right Reserved.