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服作り工房
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第5回:和ブーム!?
 昨今大人気の『 ゆかた 』!
ゆかたは、昔、入浴する時などに着たようですが、
近頃はお手軽で『かわいい色柄やデザイン』のゆかたが増えてきていますね。
それは、やはり和テイストが注目を浴びる中、夏の装いとして
若い人達に受け入れられてきたからではないでしょうか?

さて、今回の服作り工房では、そんな大人気の
ゆかたにチャレンジしてみたいと思います。
手作りのゆかたで夏を演出してみてはいかがでしょうか。

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生地選び

 ゆかたを作ったことのあるスタッフにモデル兼任で参加してもらいました。
(彼女の名前は宗方さん、これからもちょくちょくクロスランドに参加する予定です。)
宗方さんに「好きな生地を選んでいいよ!」といったら、とても楽しそうに生地を選んでいました。
自分のサイズで仕立てればWeb向け原稿が出来たその後は自分のものになるから・・・?
いえいえ、そんな無粋なことは抜きにお話を進めましょう。

それにしても、出来上がりを想像して生地を選ぶのって楽しいものですよね。

宗方です!よろしくお願いします。

そして選んだ生地はパパソーでもご紹介した『なおみコレクション』の豪華絢爛な藤色の生地。
艶やかです。

なおみコレクション
なおみコレクションに興味のある方はこちら
なおみコレクション:NA-14
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ご参考までに通常、ゆかたの生地は1反が36cm(並幅)で11m40cmの生地を使用するのですが、今回は112cm幅の生地でしたので、5m70cmをタテ地にそって半分に切って使う事にしました。

採 寸
 今までの服作り工房では標準サイズで作っていたのですが、今回はせっかくなのでモデルに合わせてピッタリのサイズで作ります。
もちろん、サイズの合ったゆかたは着やすく着心地も最高ですよね。
そのために、いくつかの本を参考に採寸しました。

着物には伝統的な呼び名がいろいろありますがちょっとまとめてみましたので参考にしてください。
採寸
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○身丈:身丈=身長(150〜168cm)
洋服でいう総丈です。「肩で着るのに身長の長さじゃ引きずらない?」との心配は無用。ゆかたを着る時は帯下に折り返し分のゆとり(おはしょり)分が必要なのです。
○後ろ幅:(ヒップ/4+7)29〜30cm
後ろ身頃の裾口幅です。
○前幅:(後ろ幅−5)24〜25cm
前身頃の裾口幅です。
○おくみ幅:15cm
前身頃の脇にくる切り替え部分。着用時にフロントの打ち合いとなり歩くたびヒラヒラっとなびきますから綺麗にまつり縫いましょうね。
○あいづま幅:13cm
おくみは下図の様にだんだん細くなる鉛筆型をしていますが、途中の衿先と前身頃の接点となる幅をあいづま幅といいます。おくみ幅より1〜2cm狭く。
○おくみ下がり:23cm
肩山からおくみ先(鉛筆型の天辺)までの長さ。
○肩幅:30〜32cm
後ろ幅と同寸または1〜3cm広く。
○袖幅:32〜34cm
肩幅より短くならないように注意。
○ゆき丈:62〜66cm(肩幅+袖丈)
○袖丈:32〜38cm
好みでO.K。長い方が着物みたいで素敵!と言う方は長めにしてみてはいかがでしょうか。
○袖口:23cm
○袖つけ:23cm
洋服のようにアーム周りをぐるっと縫い合わせはしません。肩山から23cmでStopして長い袖丈でも動きが楽なように開きをとる事が必要。
○身八つ口:13〜15cm
袖つけ下(脇の下)部分の開きを指します。やはり袖と縫い合わせる身頃脇にも開きが無いと、帯できっちり着せるゆかたでは、窮屈で腕が上がらないですものね。
○衿幅:5.5cm
○衿先幅:7.5〜8cm
○衿肩あき:8.5〜9cm
肩山にくる衿の部分から背中心の首根っこまでの長さ。
○衿下:身長/2=75〜84cm
衿先から裾口までの長さ。

布地を裁つ

 洋裁では、型紙を作ってから生地を裁つのですが、ゆかたの生地は長くて型紙を作るのが無理。
そこで、パーツごとに折りたたんで見積もりをしていきます。
そのことを『折り見積もり』といいます。
こんな方法もあるのですね。


表側が表に出るようにたたんでいきます。
身頃 おくみ 衿の順番に。
山をピンで止めてズレないようにします。
各パーツに前後左右を決め、糸印をすると判別しやすくなります。

採寸
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印つけ

 和裁の場合、普通はへらを使って印つけをするのですが、私達は洋裁がベースですからチャコしつけで代用しました。

印つけ

いよいよ縫い始めます

袖の丸みは厚紙で型紙を作ります。
(普通は半径が2cm位ですが、好みで〜10cm位まで)
袖に型紙をあて曲線通りに縫っていきます。 和裁の場合手縫いが基本ですが、背縫いわき縫いおくみ付けの3つはミシンで縫いました。
(和裁と洋裁の良いトコ取りしなくちゃね

縫い始め
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◆背中心を印通りに折って
 折り筋をつけます

その外側2mmを縫っていきます。
縫い代を印通りに折り返すと2mmの『きせ』が出来ます。
きせとは、縫い目通りに折らず少し深く折って、表には縫い目の糸を見せないよう仕上げます。
その方法が『きせ』です。洋裁のように縫い代のきわから割ることはしません。

肩当ては普通さらし木綿を使うのですが、今回は共布をそのまま使用しました。

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身長と同じだけ着丈があるので、まつり縫いの長いこと長いこと。
(くるぶしまでのロングコートもこんな感じなんでしょうかね〜)
スタッフ総出で四方からまつり縫い。
真ん中で合体。あ〜大変だった。
(NET事業部の北君((画像右下)) 飛び入り参加ありがとう!)
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◆衿を付ける
ここが一番の難関。

衿に共衿と三衿芯をつけ、三枚重ねの一本衿にします。
そしてそれを 背中心 前身 おくみの順で衿をつけていきます。
衿幅に折って本ぐけでとめる。
:三衿芯とは、共布か水通ししたさらし木綿を32〜34cm×11cm位の長方形に裁断し、衿の裏中心に縫い合わせる素材のこと。洋服で言う接着芯の役割をする物で衿の張りを出す役割を果たします。
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◆袖をつけて、やっと完成
完成したゆかたを眺めてみると直線という感じですよね。
しかし、着物って不思議で着てみると優しい曲線がでますね。

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縫製の工程(まとめ)

(1)袖を作る。
(2)背中心を縫う。
(3)肩当てを作る。
(4)身八ッ口の下から脇を縫う。
(5)おくみをつける。
(6)衿下すそを三つ折りでしつけ。
(7)衿を付ける。
(8)袖をつける。


お披露目

モデル兼任で飛び入り参加した宗方さんが実家からわざわざ送ってもらった自前の帯と履きものを持参でお披露目。
出来上がりに満足したのでしょう、やる気満々です♪
着ている姿を見ていると、本当に楽しそうでした。

暫く店頭に展示したらこの浴衣はやはり彼女に差し上げましょう


最後に一言

 今回のゆかたは手縫いやわからないことが多く予想以上に大変でした。
ゆかた作りを通じて『 和裁の繊細さ 』を感じることができました。
表に縫い目の糸を見せないように仕上げるなど和裁ならではですね。
また、スタッフ総出で手縫い、1人1人の想いが1針1針刻まれたのではないでしょうか。
お披露目後、今回の完成を祝ってみんなで夜の街にくり出しました。

今回使用した板谷なおみさんの『なおみコレクション』は
実店舗にもご用意していますのでお近くの方は是非お越し下さいね〜

なおみコレクション


それでは皆さんも残り少ない夏をどうぞ楽しんでくださいね〜。
次回もお楽しみに


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