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服作り工房
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第6回:秋恋しい季節…“ハリスツィード”
 ここ数日、朝夕の空気がひんやりと気持ち良く、
東京でも秋冬の訪れを感じるようになってきました。
そろそろ、この素材が恋しくなってきた方も
いらっしゃるのではないでしょうか。


 それは・・・
今から約25年位前に大流行して、
そしてまた近年リバイバル人気が出てきている、
秋冬素材(ツイード)の王様

 そう、ホームスパンの元祖であるツイードの王様 ハリスツイードです。


素材特性から堅くなりがちなこの素材も、色の組み合わせ次第でカジュアルな普段使いのバッグとして大変身!です。
▽▼▽
ツィードといえばハリスツイード

 ツィードといってもたくさんの種類がありますが、そのなかで今回はツィードの王様ともいえるハリスツィードを使うことにしました。
何故、ハリスツィードがツィードの王様なのか?については本文最後にまとめてご説明しますね。
画像はこの冬当社で取り扱うハリスの一部です。


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素朴で暖かみのあるハリスツィードは、ブリティッシュでダンディなイメージでジャケットやコートにも最適な素材ですが、意外とパステル系の色合いも多く、女性受けも良い素材です。
是非皆さんも試してみて下さい。


 本当はジャケットでも縫いたい!と思うのですが、ジャケットですと出来る人が限られてしまいますから、今回はちょっと趣向を変えて誰にでも
比較的“簡単に縫えるバッグ”を皆さんにご紹介したいと思います。
ハリスの小物は最近は結構製品として販売されている物も多いですから要注目♪です!
何といっても自分で作れば完全オリジナルになりますからね。

デザインは?
 ›››いやいや、いつもながらですが、本当に悩みました×××
 バックを作るといっても参考になるものがないので、スタッフの塚原さんにお願いして学校の図書館からバック作り方の本を何冊も借りてきてもらいました。
どんなデザインにしたら良いの? どの生地を使うの?
せっかく“服作り工房”で作るなら、ちょっと面白いモノ』を作ろうよ。

この言葉が今回プレッシャーになったようです。
そして、悩んだ挙げ句今回考えたのがイラスト画像の左側バック。(byスタッフ緑川氏)。
渋めのガンクラブチェックに目の覚めるようなピンクパープルを合わせてしまうという、斬新(?)な配色のショルダーバッグです。

テーマは『 遊び心ある配色 』。

初めて見ると“なにこのクレイジーな色使い”と思いますが、よく見るとこれが結構かわいく見えてくるバックです。


↓バッグ1:拡大する
↓バッグ2:拡大する
↓バッグ3:拡大する

その他にもこんなデザインを考えてみました。
ベーシックなヘリンボーンの表地にコーデュロィ裏地を使った暖かみのあるバック。(中央
生地を帯状にして交互に交差させた市松模様のバック。凝ったデザインです。(
›››私的にはこちらの方が良かったのですが、市松模様が面倒で。。。ボツにしました。ゴメンナサイ。

型紙作り
 いつも洋裁雑誌から流用していますが今回は文化出版局で出版されている『ハンドメイドバック』という本を参考に型紙を作りました。

【 今回使用した生地及び付属品 】
表 地:ハリスツィード
HT-7812(ピンク)
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HT-7812(ピンク)
30cm
HT-7813(パープル)
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HT-7813(パープル)
30cm
HT-7816(ガンクラブチェック)
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HT-7816(ガンクラブチェック)
30cm
裏 地:40cm
芯 地:60cm

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:今回は表地に3色生地を使ったので用尺がたくさん必要になりましたが、単色で同じ物を作れば表地は50cmで作る事ができます。

裁 断
パーツごとに型紙をピンでつけて裁断をしていきます。
あらかじめ、型紙には1cmの縫い代をつけてあります。
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肩掛け用の吊りヒモとマチ部分はすべて直線なので直接生地に印をして裁断を行いました。
地の目を見ながら曲がらないように注意して裁断します。
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さらに・・・裏地にはなんと『ポップな水玉モチーフ』の生地を使いました。
気持ちは一昔前の英Paul Smith(ポールスミス)です。(分かるかな?)

生地は、本来はブラウス用のポリエステルの生地で滑りも良く、遊び心がありますね〜
この辺が今回の狙いの一つでもあるハズシの美学です。(勝手にいってます!)
表地同様型紙をつけて裁断します。

芯地貼り
裏の生地は厚い割に腰がないので、念のため表の生地とのバランスを考え、裏地に芯を貼ることにしました。

縫 製

【 縫い方の手順 】
1 裏前側面と見返し(表布)を合わせる。
2 マチをはぎ合わせる。(表・裏同様の工程です)
3 前・後とまちを縫い合わせる。(表・裏同様の工程です)
(後ろとまちを合わせる時は、最初と最後を1cm縫い残す)
4 口の部分を出来上がり( 1cm )に折りアイロンをする。
5 後ろの側面を中表に合わせて周囲を縫い表に返す。
(後ろのまちを合わせる時は、最初と最後を1cm縫い残す)
6 ひもを作る。
7 ひもをはさみ、縫い代を折り込んでステッチをかける。
8 縫い残した部分をまつる。

うわ〜っ、間違えた。(>_<)
まちの部分裏表反対に縫ってしまいました!!
大変だったのは、ひもを縫った後、表に返す工程です。
道具を使えば良かったのですが、すべて指で返したので指が痛い。(>_<)
(145cmもあるので30分以上かかってしまいました。)

最後の難関
本来ならば(7)は1工程で済ませたかったのですが、生地が厚くなってしまいミシンの抑え金の間に入りませんでした。

なんとか入れたのですがミシンが全く進みません×××
ハリスツイードの生地は肉が厚いから仕方がないですね。
でもこんなハプニングも洋裁には良くあること。
だったら手でやれば良いじゃない、ということで手縫いでひもをつけることにしました。

そしてやっと完成
 クレイジーな色使いのハリスツィードのバック。
オリジナルのタグも色のコントラストを考え
目立つ場所に付けて・・・

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今回使ったハリスツィードはバッグの他、
携帯電話入れ帽子などにもオススメです。
こちらはスタッフが作った手作りの携帯電話入れポーチ。
生地は端切れさえあれば簡単にできます。
ジャケットやバックとお揃いで作ってみてはいかがですか?

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次はプロの作品


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この帽子は、当社で以前アルバイトをしていたN君が
ウチの社長にプレゼントしてくれたもの。
隣の画像 ノーフォークジャケットとお揃いの生地です。
N君は、現在は帽子作りの職人をしているだけあって、さすがに上手です。


ちなみに参考までに、帽子作りのポイントを聞いてみたところ、次の点がポイントとのことでした。

▽▼▽
天井を付ける所がちょっと難しい。
滑りを入れる所もちょっと難しい。
  滑り(グログランリボン)とは帽子の内側にあるリボン。
  ※:但し 腕ミシンがあれば簡単とのこと。
 
また「生地の用尺はシングル巾112cm×50cmあれば
帽子1つができるので是非皆さんもチャレンジしてみてください。
いつか、この服作り工房でもN君に飛び入り参加してもらって
作り方をご紹介していきたいと思います。
(あ〜っ、塚原さんといい、N君といいOB・OGに救われる私・・・いつも助かります。)

ちょっとひと言・・・
なぜ、ハリスツィードがツィードの王様なの?
 私達は日頃からツイード ツイードと気軽に言っていますが、実はこのツイードもともとの原産は英国スコットランド。
生地としては非常に原始的なツイルという綾織物がその語源になっています。
自動織機が出回る前までの手紡ぎが当たり前の時代では、手紡ぎ故に紡ぐスピードが遅くこのため厚手で糸の太いザックリとした織物になりました。

ざっくりとした触感、見た目のカジュアル感、秋冬のはもってこいのウォーム感が世界中で受け容れられ中世から現在まで織機技術により多様化はしていますが、長く皆に愛されている素材です。

 (生地についてもっと知りたい方はこちらまで(生地を知りたい知っとかなくっちゃへ)

 そして、今回登場したハリスはこのツイードの生まれ故郷スコットランドが原産。
厳しい英国北部の気候の中で肥育されたやや粗野な風合いのブラックフェイス種の羊毛(原毛)を昔ながらに脱脂せず使用し、手紡ぎで織ったものです。
脱脂しないため、毛に脂肪が残り、結果保温性が高くカシミヤにも引けを取らない防寒性です。

今となっては、技術的には原始的で粗悪品やコピー製品を作るのも比較的容易ですが、本物のハリスツイードは上述スコットランド北部のハリス島・ルイス島の2島でのみ作ることが許されたロンドンのハリスツィード協会の商標十字架の宝珠のマークが付いた物だけを指します。
(更に言えばそのタグにもロットナンバーが付きその製造元がハッキリ分かるようになっています)
またこのハリスは英国女王陛下からの勅許(チョッキョ)も与えられておりますからこの辺を含めても
ツィードの王様と言っても過言ではないでしょう。

最後に・・・
 当店ではこの冬の注目素材としてハリスを取り上げています。
その熱の入れ様は、何と当社で運営する他の2サイトとコラボレーションでサンプル帳を作るほどの力の入れようです。

オーダースーツのヨシムラ
  ›››ご存じインターネットオーダースーツ販売の草分け的存在
オーダースーツのヨシムラ(レディーススーツ) オーダースーツのヨシムラ(レディース)
  ›››レディースオーダーサイトが分化しました。
     (つい先日リニューアルオープン


 それぞれハリスという素材を使って自分で洋服・小物を作ったり、自分のジャケットを仕立ててもらったり、あるいはご主人(彼氏)とお揃いのカジュアルジャケットにしたり。。。と色んなシチュエーションで使えるよう考えて3サイト合同企画といたしました。
どうぞ皆さんもそれぞれの楽しみ方でこの秋ハリスツイードを楽しんでみて下さい。

本当に最後になりましたが、このハリスツイードのサンプル帳も作成しました。
ご希望の方は下記よりどうぞお申し込み下さい。


   サンプル帳のお申し込みはこちらまで

   生地のご注文はこちらまで

次回のご案内
 次回は秋も深まってくる頃ですのでまたまたツイードネタ。
『変わったツィード』を使って何かを作っていきます。
(ハリスも十分変わったツイードですが...)
どんなモノが出来るかお楽しみに。。


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