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服作り工房
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第10回:〜初体験〜『メンズジャケット』Part2
 季節が過ぎるのは、早いものですよね〜?
前回の服作り工房でご紹介した『〜初体験〜メンズジャケット』は構想から、はや3ヶ月も経ってしまいました。
当初はサマージャケットを作ろうと思っていたのですが、セールやら決算やらでバタバタしている内にすっかり遅くなってしまって。。。
どうやらこの分ですと秋冬物のジャケットになりそうです。
読者の皆さん本当にゴメンナサイ!(^_^;)

それでは、少し遅れてしまいましたが今回の服作り工房では、その第2弾として、特に補正にスポットを当てて服作り工房を進めたいと思います。
( 前編をご覧になっていない方はこちらをどうぞ )

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服作り工房:〜初体験〜メンズジャケット


▽▼▽

 さて、今回は何と言ってもジャケットを作るのですから、折角ですから身体にしっかりフィットした服にしたいですよね?
そのためには、着る人のまず身体つきについて理解しなくてはなりません。
身体つきとは、端に身体が太っているとか痩せているとかだけを指すのではなく、このほかにも、前かがみだったり、反り身など着る人それぞれの姿勢やねじれなどの要素を取り入れた体型的特徴のことを指します。

そして、その人に合った服作りをするには、正確な採寸とこれらの体型的特徴を理解し、それを型紙に落とし込むことが大切です。

ところが、前回の服作り工房で作った型紙は、私が以前着ていた既製品のジャケットをバラしてそれを参考に作ったものですから、体型補正も全くなくその上サイズも合っていないものでした。 そこで、今回はトワル組をし補正を加えて身体に合わせることから勧めたいと思います。


初めてのトワル組
 トワル組とはシーティングを使って仮縫いをすることですが、服作り工房で行うのは、今回が初めてのことです。
今までは雑誌の型紙や原型をもとにいきなり本番で作ってましたが、皆 初めてのメンズジャケットということもあり、今回はそれだけ気合いが入っています。

仮縫いとはいえ、作る工程は本番と変わりません。
まず、型紙をシーチィングに止め裁断をします。
そして、各パーツをしつけ縫いで縫い合わせていきます。
画像左は緑川くん、右側は道川さんです。

体には左右差もあり、本当は両身頃を作った方がいいのですが、限られた時間で作らなくてはならないので今回は上前側『左身頃』だけを作りました。

そして、トワル組したものを実際に着用して、合っていない部分に補正を加えました。
縫い目をほどいたりピンで止め直したりしました。

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ところが、どうしても収まりが悪い箇所があるんです。
何故か?何故かと悩んでいたら、皆がこう言うんです。
閏間さんの姿勢が悪いんですよ。。。
う〜ん、やはりそうか、、、分かってはいたのですが、日頃から前かがみだったので背中の生地分量が足りなかったようです。
の私の立ち方からも明らかですよね×××
そこで、背中の部分を横にカットし、そこに、布をピンでとめ背中の分量を加えました。


ちょっと贅沢な気分

 せっかく作ったトワル組ですが、補正を加える箇所に印をしてバラします。
バラしたシーチィングをもとに型紙作り、そしてまたトワル組です。


お陰で2度目のトワル組はかなりの完成度でした。
補正したのは脇だけでした。

自分自身で仮縫いをしたものを着るのは、自分自身初めてでちょっと贅沢な気分を味わいました。


もしかして立体裁断?
そして、今回の補正方法(ハサミを入れたり、ピンでつまんだり、布を加えたり)って立体裁断の方法なの?と自分では思ってみました。

そこで、立体裁断の解るスタッフに一枚の布をボディーに合わせる所を実際に見せてもらいました。

立体裁断って、ダーツをとったりピンを止めるだけで、本当に体に合っていくのですね?
平面の布地が、徐々に立体の体の形に近づいていくことには、感動すら覚えました。

立体裁断について興味をもった私は、スタッフを質問責め。
すると、スタッフからこんな言葉が...
立体裁断を理解する時は、河原からを拾ってきて、その石に布を合わせることから始めるんですよ。』と。
これで、立体と平面の関係を理解するのか。。。なるほど

本当に感動したのは?
 そして、そのスタッフが持っていた立体裁断の本には以下のような事が書いてありました。

平面裁断(ドラフティング)は採寸をし、原型を使用するなどして、二次元のパターンメーキングをするのに対して、立体裁断(ドレーピング)とは、三次元の操作でパターンメーキングをすることです。
立体裁断では、布をボディにかけ自由に表現する事ができます。
そうするとボディと布地の関係が理想的な形を導いてくれるのです。
張りのある生地は張りをいかし、ドレープ性に優れた布は、ドレープを生かしたりして形を作っていきます。
注意したいことは立体にフィットさせることのみがデザインでも技術でもなく、大切なのは立体と服との間にどのような空間を作るか、そしてその空間こそがファッションとなり着心地や機能性にもつながります。

 この本を読んで本当に感動したのは『大切なのは立体と服との間の、その空間こそがファッションとなり、着心地や機能性にもつなる』と書いてあったことです。
またしても洋服作りの奥深さを感じる事になりました。
そして、“その空間”こそが、きっと良い服の条件であり服の優しさではないでしょうか?


さて、
トワル組をして補正にスポットをあてた今回の服作り工房はこれでお終いです。
次回、実際の生地を使って仮縫いを行います。
は〜っ、夏物のはずが、秋冬の生地を使うなんて。。。う〜ん、早く仕立てねば!

それでは次回をお楽しみに〜


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