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服作り工房
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第11回:〜初体験〜『メンズジャケット』Part3
 残暑厳しく、秋の訪れが待ち遠しい今日この頃ですが、皆さんどのようにお過ごしですか?
夏休みもとっくに終わってしまい、当社では秋冬物サンプルの準備の真っ最中です。
そして、服作り工房でもシリーズで紹介している『メンズジャケット』も少しづつではありますが完成に近づいています。(まだまだかな?)

ということで...
今回の服作り工房では、第3弾として『仮縫い』をテーマにご紹介していきます。

   第1弾をご覧になっていない方はこちらをどうぞ
      >>> 〜初体験〜『メンズジャケット』Part1
   第2弾 をご覧になっていない方はこちらをどうぞ
      >>> 〜初体験〜『メンズジャケット』Part2

前回、折角作るのだから身体にぴったり合った服を作りたいということで、トワル組をし補正を加えて体にフィットした型紙を作りましたが、今回はその型紙を参考に実際の生地で仮縫いを行います。

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そこで、生地選び

 折角自分のジャケットを作るので、好きな生地で作りたい!!(悩みました!(@_@)
悩んだ結果、今回選んだ生地は深みのあるネイビーブルーに、艶やかなオレンジとターコイズブルーのカラーネップが入った特徴的な生地です。
寒色暖色の組み合わせですが、どことなく懐かしい味わいのある生地ではないでしようか?

今回ご紹介した生地は『洋裁上級者用サンプル』でこの秋冬のサンプルに入っている生地です。
   ▽▼▽
上級者サンプルはホームソーイングサンプルでお取り引きのある方は生地サンプルをお送りすることも可能ですのでご希望の方はこちらのサンプル請求画面よりお申し込み下さい。
 (ボリュームが多くとてもコストが掛かっているサンプルなので初めての方でご希望の方は実店舗でご覧下さいね。)


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地直し・ 裁断

 仮縫いとはいえ、本番の生地を使うので、裁断をする前にまず地直しを行います。
今回使用した生地は沢山の素材『ウール,コットン,シルク,レーヨン』が混ざった複合素材なので、熱に弱いシルクに適した温度で裏から軽くアイロンをかけながら、地直しを行いました。
専門の業者に依頼することも可能ですが、今回は自分用なので勉強かたがた自分で行いました。

地直しについては
Q&Aの 4.裁断 Q2 :地直しって何?
 >>> http://www.clothland.com/qa/04.html をご覧下さい。

そして、型紙には予め1.5cmの縫い代をつけました。
型紙に記した地の目の線と生地の地の目を合わせて、型紙をピンで生地に止めました。

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次は型紙に沿って裁断です。


仮縫い
 やっと本番の生地を縫うことになりました!、、、と言いたいとこですが...まだまだ、仮縫いが始まったばかりです。

【仮縫いの工程はこんな感じでした】
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スタッフ総出でしつけ縫いデス。
手仕事なので一針一針縫っていきます。(心がこもっていますよ
いせが多いので、袖山のぐし縫いをします。

>>> 分解していて分かったのですが、一見メンズジャケットは、袖の"いせ"が少なそうに見えますが、肩パットゆきわたがあるので、意外といせが多い。 
☆ ぐし縫いのポイントは・・・ ☆

1: しつけ糸は2本取りでします。 
2: 袖下はぐし縫いをしません。
(12〜13cmあけておきます) 
3: ぐし縫いは2本縫いをします。
1本目は出来上がり線より0.3cm位入ったところに細かい並縫いをします。
2本目は1本目の0.2cm位上に細かい並縫いをします。
4: アームホールに合わせて袖のぐし縫いを縮めて行きます。

ぐし縫いについては
Q&Aの 5.縫い方 Q7:「いせる」って何?
  >>> http://www.clothland.com/qa/05.html をご覧下さい。

トワル組では半身だけの製作でしたが、仮縫いでは両身頃行いました。
これで実際のジャケットと近い形に仕上げていきます。
各パーツをしつけ縫い。
そして、最後の袖付けは、実際に身頃を着て肩に肩パットを入れて、いせの様子を見ながらピンで仮止めをしました。

補 正
 そして、最終チェックです。
試着してみて各部分を確認しました。
2回のトワル組をして作った型紙なので、予想以上にピッタリでした。
みなさんどう思いますか!?
 ただし、まだ芯を貼っていないため背中にシワが入りましたが、肩の動きを考えると丁度良いゆとりに感じました。
そして、当然ですが裏地や芯地が付くのでもっと馴染むのではという結論で、こちらはほとんど補正は加えませんでした。 

仮縫いって必要?
 2度のトワル組をして作った正確な型紙があったので、実際の生地での仮縫いって必要なの???と疑問に思いました。

結論から言いますと、やはり必要に感じました。
それは、やはり、生地には厚さやいろいろな特徴があるので、扱う生地によっていせの分量ゆとり量も違ってくるからです。
そして、何より着てみることで初めて解ることがあるように思いました。
仮縫いを行うことで、より理想的な形を導いてくれるのではないでしょうか。

また、出来上がっていく洋服の過程をたまに体感してみることで、着る人も作ってくれた人に感謝の気持ちを感じるのではないでしようか...?
私自身(ウルマ)も今回製作に携わってくれたスタッフには感謝しています。
(出来上がるのが楽しみです。)

最後に、原型作りを紹介
 今回、元になる型紙は実際のジャケットを参考に作りましたが、普通ですと原型から作ります。
そこで、ちょっと原型の作り方を紹介します。

ご紹介するのは文化式の男子原型の引き方です。(文化出版局の男子服を参考に記載しました)

文化式の原型はバスト寸法と背丈寸法を基準にした製図方法です。
ここでは婦人服とは違い左身頃が上前になるので、右側から基本線を引き製図していきます。

【 基本線を引きます 】 (図−1を参考に...)
基本の直角を求めたら背丈を決めます。
ウエストライン(WL)はB/2+(8〜10cm)です。
上着の原型なのでルーズなものにしたい場合は10cmにします。
バストラインは(BL)はB/6+7.5cmを加え決めます。
脇線はB/2+(8cm〜10cm)を2等分して引きます。
背幅線は後ろ中心からB/6は+4.5cmに引きます。
胸幅線は前中心からB/6+4cmに引きます。
横背幅線はB/6+7.5cmの寸法を2等分して引きます。
後ろ衿ぐりはB/12とし、その1/3を基本線の上に求め、衿ぐりを引く基本線とします。
上記の1/3は肩の傾斜として、背幅線胸幅線に印をします。
前のサイドネックポイント(SNP)は胸幅を2等分した位置にきめます。
ネックラインはB/12をとり、胸幅の2等分の線上でさらに1/2にして決めます。

B バスト(胸囲)
BL バストライン(胸囲線)
WL ウエストライン(腹囲線)
FNP フロントネックポイント(頸側転)
SNP サイドネックポイント (頸囲前中心線)
(図−1)

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【 輪郭線を書く 】 (図−2を参考に...)
製図後ろから仕上げます。
肩線を引くには、衿ぐりで1/3を上げた線をさらに3等分し、上から1/3下がったところで肩傾斜を求め、背幅線から1.5cm出して肩幅を決めます。
さらに、この線を3等分して、サイドネックポイントから1/3までを曲線で書きます。
この曲線が肩線です。
後ろ袖ぐりを引くには、背幅線と肩線までを2等分して、その1つを45度に求め、後ろアームホールをかき、後ろ袖ぐりが出来上がります。
前のネックラインはフロントネックポイントとサイドネックポイントを結び、その線から直角線を基本の点に求めて3等分し、下から1/3のところを通って曲線を引きます。
(この曲線はデザインによって自由に動かせるデザイン線です)
前肩線を書くには、肩の傾斜線を決めたら後ろ肩幅から0.7cm減らした寸法をとり、その寸法を3等分して肩先から1/3のところで0.2cmの丸みをつけ、サイドネックポイントから1/3で終わるように前肩線を引きます。
アームホールは、胸幅線のバストラインから5cm上がったところと肩先を結び、0.5cm内側に案内線をつけます。
次に2.5cm上がったところとバストラインの胸幅線と脇線までの間を3等分して、胸幅線から1/3のところと結び、これらの線を基礎にして、つながりの良い線でアームホールを書きます。
なお、2.5cmの位置に袖付けの合い印をおこないます。

(図−2)

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以上の手順で原型はOKです。

メンズ物に興味のある方は、是非チャレンジしてみてはいかがですか?
メンズの生地は当社でも沢山取り扱っていますので、ご希望の方にはサンプルもお貸し出ししております。
紳士物サンプルご希望のお客さまはメールでお問い合せください。
   >>> info@clothland.com


ふ〜っ、これで、今回の服作り工房はこれでお終いです。
長い道のりでしたが、やっと仮縫いが終わり次回からがいよいよ本番です。
それでは次回お楽しみに。。。(は〜っ、、、いつまでこれやるんだろう・・・)


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