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服作り工房
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第14回:〜初体験〜『メンズジャケット』Part6
 季節の過ぎるのは早いものでもうすっかり街は初冬の装いです。
寄り道しすぎている服作り工房、年内に完成するか微妙になってきましたので、
今回は第5弾・第6弾を連続掲載します。

さて、今回の服作り工房ではシリーズでご紹介している
『メンズジャケット』の第6弾として、やっとデザインも決まり、
いよいよ『縫製工程』です。

連載物なので、今までご覧になっていない方はこちらをご覧下さい。

パート5ではポケットを作っている真っ最中でしたので、
今回はそのポケット作りから詳しくご紹介していきます

▽▼▽


ポケットのパーツ作り
 まずは、ポケットの型紙作りです。
分解したジャケットとはポケットのデザインが全然違うので新たに型紙を作成...。
そこで、当社ではメンズのオーダースーツも取り扱っている関係で、参考になるジャケットはないかと探してみた所、脇がパッチポケットのジャケットがあったので、そのジャケットを参考に型紙を作製しました。

パッチポケットの作り方(胸・腰)
裁断は身頃と同じ地の目で裁断します。
表地の縫い代はポケット口に2.5cm、他の三方に0.7cmつけます。
裏地の縫い代は、ポケット口で1.5cm控え、他の三方は0.4cm付けます。
表地、裏地を中表に合わせ、合い印をいれます。
表地、裏地を中表にし、ポケット口を0.5cmの縫い代で縫います。
表地、裏地を中表にし、合い印に合わせて裁ち目を揃え、0.5cmの縫い代で外回りを縫います。


但し、返せる様に脇を4〜5cm縫い残します。
縫い残した所から表に返し、裏地を控えて形を整え、縫い残した所をまつります。



フラップの作り方
  裁断は身頃と同じ地の目で裁断します。
  型紙を参考に縫い代をつけます。(裏フラップはや控えめにつけます)
  身頃に縫い合わせる所以外の三方は、表フラップで0.7cm、裏フラップで0.4cmをつけ合い印をします。
  裁断が終わったら表フラップの裏側に接着芯を貼ります。
表裏のフラップを中表にし、合い印を合わせて裁ち目を揃え、0.5cmの縫い代で縫い合わせます。
  縫い残した所から表に返します。
  裏地を控えて形を整えます。
最後にアイロンで仕上げをします。
 
出来上がったポケットのパーツはこんな感じです。

胸のパッチポケットだけちょっと小さいと思いませんか???
実際に身頃に載せてみたのですが、やはり、脇のポケットに比べボリュームがありません。
実は、胸がパッチポケットになってるジャケットが無かったので、普通の箱ポケットを参考に型紙を作ったのが悪かったようです。
結局、どうしても違和感があったので胸ポケットだけ作り替えました。
何事も楽しようとしちゃダメですね。(-_-;)

作り直しは、前身頃に紙を当てバランスをみながら型紙を作りました。

そして、最終的に出来上がったポケットの型紙はこんな感じです。

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ポケット付け
 パーツが出来上がったので後はポケットを縫い合わせます。
でもその前に...表身頃を作らなくてはならないのでそこからご紹介。

前身頃のダーツを裏側で縫います。
ダーツは脇側に片倒しにします。
芯地も同様にダーツを縫い片倒しにします。
ここで前身頃と脇(細腹)を縫い合わせます。


次は、アクセントのステッチ作りですが、フラップの三方は予めミシンでステッチを入れます。
ポケットの付け位置を決めます。
特に、胸ポケは参考になる物がなかったため実際に当てて付け位置を確認しました。
しつけ縫いをしてポケットを軽く固定。
ミシンでステッチをかけます。
フラップは裏側にして縫います


表側に倒して縫います。
ポケットの縁をまつります。

いよいよポケット完成間際です。
ここまで作ったのですがどうでしょうか?ミシンステッチが機械的に入ってアクセントになってます。

が、、、私(ウルマ)的にはどうしても↑のミシンステッチに納得がいかないんです×××
そこで・・・
私: 『手作り感も出ているし、ミシンではなくハンドステッチにしない?』とスタッフに相談したところ...
スタッフ: えぇ〜、ここまで作ったのにやり直すのですか?』
私: 『このジャケット半年かかって作っているものなので、折角だから納得のいくモノを作ろうよ。』
...となんとかスタッフを説得しました。
そして、そのままちょっと調子に乗って...
私: 『裏の仕立ては、台場仕立てにしない? 』と言ったところ...
スタッフ: 『出来上がりいつになるかわからない』とスタッフに脅かされました
私: やむなくあきらめました。(>_<)

で、折角作ったポケットがどうなったかというと、リッパーを使って泣く泣く解くことに。
(でも物作りってこういうやってみてはやり直して。。。ということ多々ありますよね。)

替わりに入れたハンドステッチは一針一針手で入念にステッチを入れました。う〜ん、イイ感じ
そして、ついにポケットの完成で〜す!!どうですか?
ミシンよりさすがにハンドステッチの方が、手作り感があり優しいイメージですね、
画像は左がミシンステッチ、右がハンドステッチです。

表パーツの合体
表後ろ身頃の左右を背中心で縫い合わせます。
表後ろ身頃と表脇(細腹)を縫い合わせていきます。
そして、縫い合わた所は割ります。
肩を縫い合わせます。(後ろをいせこみながら慎重に縫い合わせていきます)。
 
ここが一番の難関!!(*_*)


縫い合わせたところで仕上げのアイロンで整えていきます。
袖は内側外側の順番で縫い合わせていきます

裏地の準備
 通常はいせこみ分をつけるので、裏地の方をやや大きくするのですが、表地に1.5cmの縫い代がついており、縫い代を少なくすれば大丈夫だということで、表地の型紙で裁断しました。


裏地の裁断って滑るので結構難しいですね。
メール担当道川さんに鋸で切ったみたくギザギザだねと言った所、いつもは裏地を切るのがいやだから自分の作るものは裏を付けないと言ってました。(ちょっと心配です)
でも、なんとか裁断できました。

途中経過
 ポケットが付きパーツがつながってきました。
やっとジャケットらしくなってきたと思いませんか?

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最後に・・・
今回はスタッフ総動員の末、ここまでなんとか出来ました。
...というよりは、服作り工房のスタッフ以外にもジャケットの縫製経験豊富な社員にも協力してもらったからなんですけどね。。。(ホント、助かりました)

実は、肩のいせこみをするなど難しい所を手伝って貰っていたんです。
元某有名テーラーに勤務していた彼にジャケット作りのポイントを聞いたところ、『やっぱり、アイロンワークが一番大切』とのこと。
それは生地を『いせたり』『追い込んだり』して身体に合わせていくことを意図しているんですが、やはり、こうまでして身体に合わせてこその洋服ですよね。
アイロンでよく『くせとり』といいますが、アイロンワークって生地を身体に合わせていくことは、くせとりと言うよりは生地をよりよく変化させていくので『活かす』と名付けたほうが良いのではないか、と思ったほどです。

ふ〜っ、長くなりましたが、今回はこれで終わりです。

『スーパー助っ人』も現れたので、次回は遂にメンズジャケットも完成するかな?
密かに、自分のクリスマスにと考えているので... 。もう一踏ん張りです。

次回、感動の(メンズジャケット)最終話になるか?乞うご期待...


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